【保存版】起業の2つの型:スタートアップとスモールビジネスの違いとは?
起業を目指す人にとって、最初に理解すべきテーマがあります。
それは 「スタートアップ」と「スモールビジネス」 の違いです。
両者は同じ「起業」ですが、方法も、リスクも、難易度もまったく異なります。
実はこの違いを明確に言語化できない起業家も少なくありません。
だからこそ、まずは土台を固めることが成功への第一歩です。
起業の定義:新しい価値を持続可能な仕組みで届けること
この記事では「起業」を次のように定義します。
起業とは、新しい価値を、再現可能かつ持続可能な形で提供する仕組みをつくること。
一度きりのイベントや単発のプロジェクトではなく、繰り返し価値を届ける仕組みがあるかどうかが重要です。
これはスタートアップにもスモールビジネスにも共通する土台です。
スモールビジネスとスタートアップの違い
ここでは、スモールビジネスとスタートアップの違いについて整理します。
まず、スモールビジネスは、すでに存在している市場で、安定的に収益を出すことを目的としています。
たとえば、街のカフェや学習塾、美容室や小さなネットショップなどがこれに当たります。大きく拡大するよりも、地域や限られた顧客層の中で手堅く運営していくスタイルです。
一方で、スタートアップは、まだ十分に満たされていない市場や、まったく新しい市場を狙って急成長を目指します。
代表的な例としては、フリマアプリのメルカリや、民泊サービスを世界に広めたAirbnbが挙げられます。彼らはスケール、つまり規模拡大を最初から強く意識して事業をつくっているのが特徴です。
スモールビジネスは“安定して稼ぐこと”を重視し、スタートアップは“新しい市場で大きく伸びること”を重視する。この違いを理解することが、新しいビジネスを考えるうえでとても重要になります。
スモールビジネスとは?既存市場で安定的に稼ぐ型
スモールビジネスは、既にある市場で、お客さまに選ばれる理由を磨きながら着実に利益体質を作っていく型です。
街のカフェを例にします。
お客さまのジョブ(やりたいこと)は“近場でおいしいコーヒーを飲む”“落ち着ける場所がほしい”。
これらはすでに需要が存在しています。
差別化は、立地・味・価格・内装・接客・コミュニティなどの組み合わせ。立ち上げは、物件契約→内装→設備→仕入れ→メニュー→オープンという流れが一般的です。
日本では飲食店営業に食品衛生責任者の設置が求められます。
成長はコツコツ。リピーターを増やし、回転率や客単価を改善し、余力が出たら2号店やEC(豆の通販など)に広げる、といった進め方が典型です。」
スタートアップとは?新しい市場を創造し急成長を狙う型
スタートアップは、既存市場に入るスモールビジネスと違って、“まだ満たされていない課題”や“そもそも存在しなかった市場”を新しく作り出すところから始まります。
つまり、“お客さまがまだ自覚していない行動”や“これまでにないプラットフォーム”を発明するイメージです。
たとえば メルカリ。2013年に創業し、それまで難しかった個人間の中古品取引を、“スマホで撮ってすぐ出品できる”という簡単なUXによって日常化しました。結果、個人間売買という行動そのものを社会に広め、2018年には東証に上場しています。
もうひとつの例は Airbnb。2008年に米国で始まり、旅行者と空き部屋をつなぐという、それまで存在しなかった“民泊”という市場を開拓しました。ホテル業界とは異なる新しい選択肢を作り出し、2020年にNASDAQに上場しました。
このようにスタートアップは、既存の需要を奪うのではなく、新しい需要を“創造”します。
そのため、初期段階ではプロダクトの開発や市場開拓に大きな投資が必要で、売上はすぐには立ちません。赤字が続く期間を乗り越え、プロダクトと市場がかみ合った瞬間に急成長する──これを Jカーブ と呼びます。
つまりスタートアップの特徴は、未充足・新規市場を作る初期は投資先行で赤字が続くプロダクト市場適合(PMF)が起点となり急成長するという成長の型を持っている、という点にあります。
スモールビジネスが“既存市場での堅実な成長”を目指すのに対し、スタートアップは“新しい市場を作り、スケールする”ことを本質としています。
スモールビジネスとスタートアップの違い
ここでは、スモールビジネスとスタートアップの違いをシンプルに表でまとめました。
まず市場。スモールビジネスはすでにある需要を狙います。たとえば街のカフェ、美容室、学習塾のように、みんながすでに利用しているサービスです。
一方でスタートアップは、まだ十分に満たされていないニーズや、新しい行動を生み出そうとします。メルカリやAirbnbは、それまでなかった“スマホで気軽に売買する”“空き部屋に泊まる”という習慣をつくりました。
始め方も違います。スモールビジネスはお店やサービスを作ってすぐに販売を始めます。スタートアップは、まずは小さな実験版(MVP:最小実験プロダクト)を作り、実際にお客さんが使うかどうかをテストします。
お金の集め方は、スモールビジネスは自己資金や銀行からの借入が中心。スタートアップは投資家から資金を集めて、大きく成長を狙います。
収益が出るまでの時間も異なります。スモールビジネスはオープン後すぐに売上が立ちますが、スタートアップは最初は赤字が続きます。ただし成功すると一気に成長します。
リスクを比べると、スモールビジネスは固定費や在庫リスク、つまり“家賃や仕入れで赤字になる”ことが多いです。スタートアップは“需要がなかった”“お金が尽きた”という失敗が大きなリスクです。
最後に成長のイメージ。スモールビジネスはコツコツ積み上げ、1号店が安定したら2号店、というように着実に広げます。スタートアップは、最初は赤字でも、当たりを見つけると一気に伸びる“Jカーブ”を描きます。
つまり、どちらも“起業”ですが、考え方もリスクも大きく違うということを理解しておきましょう。
まとめ:自分はどちらを目指すのかを明確にする
- スモールビジネス=安定して収益を得たい人に向く
- スタートアップ=新市場を作り、大きな成長を狙いたい人に向く
どちらも立派な「起業」ですが、考え方もリスクも大きく違います。
まずは自分がどちらを目指すのかを明確にし、起業の土台を固めることが成功の第一歩です。
起業と一口に言っても、「スタートアップ」と「スモールビジネス」では目的も進め方も大きく異なります。
もしこの記事を読んでいるあなたが大学生なら、まずはこの違いをしっかり理解することが第一歩です。
単に「いつか起業したい」と漠然と考えるのではなく、自分は 新しい市場を創るスタートアップに挑戦したいのか、それとも 既存市場で着実に収益を積み上げるスモールビジネスに取り組みたいのか を考えることが出発点になります。
一方で、企業の新規事業担当者にとっても同じことが言えます。
自社にとって「スタートアップ型の挑戦」を進めるのか、それとも「スモールビジネス型の新規事業」を展開していくのかを見極めることが、最初の戦略設計に直結します。
つまり、どちらを選ぶかはビジョンやリソース、リスク許容度によって変わりますが、この二つの型を区別して考えることこそが、起業や新規事業の第一のステップになります。
