「イシューとは何か?」という言葉を耳にする機会が増えていませんか?
ビジネスの現場では、「その課題はイシューじゃない」「もっと本質的なイシューを考えよう」といった形で使われることがよくあります。

 

しかし、実際のところ「イシュー」とは何を指すのか、明確に説明できる人は意外と少ないかもしれません。

 

この記事では、イシューの意味や使い方、課題や問題との違い、そしてイシューを見つける力がなぜ重要なのかを、具体例を交えてわかりやすく解説していきます。

 

仕事の効率を上げたい人、論点を見極める力をつけたい人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

イシューとは?イシューの定義

イシューとは、「解くべき価値のある問題」のことです。
つまり、ただの“疑問”や“悩み”ではなく、「時間を使って考える意味がある問い」です。

 

どんなに頑張って考えても、その問い自体が的外れなら、意味がないですよね。
だからこそ、最初に「この問題は本当に考える価値があるのか?」を見極めることが重要なのです。

こちらの例を見てください。
「なんとなく売上が落ちた…」というのは、漠然とした“悩み”です。

 

一方、「なぜ〇月から〇〇層の売上が落ちたのか?」という問いは、原因を特定し、打ち手に結びつけられる具体的な“イシュー”になっています。

 

イシューは、「問いの質」で成果が決まるビジネスの世界において、非常に重要な起点です。

なぜイシューが重要なのか?

 

イシューが重要なのは、「限られた時間の中で、最大の成果を出す」ためです。
多くの人が時間をかけて資料を作り、会議をしても、そもそも考えるべき問いがズレていたら、すべてが無駄になります。

 

イシューを正しく定めることは、仕事の効率と成果を劇的に高める出発点なのです。

 

私のまわりにも、「遅くまで残業しているのに、大して成果が出ていない人」がいました。
一見まじめに働いているようで、実は“考える前に動いている”だけなんです。

 

会議で話す内容も散らかっていて、何が論点なのかよくわからない。これは、「イシューを考える力」が欠けている典型例です。

 

もちろん、チームの雰囲気を和ませる雑談などは良い意味での“無駄”です。

 

でも、「何のためにやっているかよくわからない作業」や「ただ報告するためだけの資料作り」などは、イシューを見極める力があれば、最初からやらずに済んだ可能性が高いのです。

 

なので、イシューを正しく定めることは、仕事の効率と成果を劇的に高める出発点になるので、ぜひイシューを見定める能力を伸ばしてください。

 

良いイシューの3つの条件

良いイシューには、3つの条件があります。

 

1つ目、本質的であること。
2つ目、答えが行動につながること。
3つ目、自分たちの手で答えが出せること。

 

この条件を満たしているかどうかで、「それは本当に考えるべき問いなのか?」が判断できます。

 

良いイシューの条件①本質的であること

表面的な現象ではなく、「そもそもの構造や原因」に切り込んでいること。

 

例)「営業担当のモチベーションが低い」ではなく、
「営業チームの報酬制度が成果と連動していないのではないか?」といった問いは、本質に踏み込んでいます。

 

良いイシューの条件②答えが行動につながること

答えを出すことで、次のアクションや意思決定が可能になる問いであること。

 

例)「この施策が良くなかった理由は何か?」という問いに対して、
「ターゲット設定がズレていた」と答えが出れば、改善策として次回はターゲットを絞るという行動に直結します。

 

良いイシューの条件③自分たちの手で答えが出せること

リサーチや議論、社内の分析など、自分たちで検証可能な問いであること。

 

例)「なぜ最近の若者はモノを買わないのか?」は答えが広すぎて外部調査に依存しますが、「自社の20代顧客がリピートしない理由は何か?」であれば、アンケートやデータ分析で自分たちの手で答えが出せます。

 

このように、3つの条件を満たしているかどうかをチェックすることで、「その問いは本当に考える価値があるのか?」を見極めることができるので、覚えておいてもらえたらと思います。

 

イシューを見つけるための情報収集

良いイシューを見つけるには、良い情報に触れることが必要不可欠です。
ただし、やみくもに調べればいいというわけではありません。

 

ここでは、質の高いイシューを立てるための3つの情報収集の原則と、それがなぜ大切なのかを詳しく解説します。

 

原則①一次情報に触れる

イシューを見つけるための1つ目の原則は、一次情報に触れることです。

 

なぜ一次情報に触れることが大切なのか?
それは、一次情報だけが「生々しい事実」と「肌感覚の違和感」を提供してくれるからです。

 

たとえば、Excelの売上データだけを見ても、
「なぜこの商品が売れないのか?」という“人間の理由”は見えてきません。

 

でも現場のスタッフやお客様に話を聞けば、
「見づらいパッケージ」「手に取りにくい棚の配置」など、数字では出てこない真因に気づけるのです。

 

さらに一次情報に触れることで、問題を“自分ごと”として捉えられるようになります。
当事者意識が生まれた瞬間に、思考の質は一気に変わります。

 

原則②基本情報を調べる

イシューを見つけるための2つ目の原則は基本情報を調べることです。

 

基本情報を調べることの目的は、正しい思考の土台をつくることです。

 

人は何も調べないままだと、過去の経験や印象に引っ張られて判断してしまいます。
「多分こうじゃないか?」という思い込みで問題設定をすると、イシューそのものがズレてしまうのです。

 

たとえば、社内の売上が落ちていると聞いて、「営業の努力不足だ」と決めつけてしまう。
でも基本情報を見ると、そもそも市場全体が前年比20%減だった…というケースはよくあります。

 

ベースラインを押さえておくことで、「本当に異常なことは何か?」が見えてくる。
だからこそ、事前の基本情報のインプットは極めて重要なのです。

 

原則③情報を集めすぎない・知りすぎない

イシューを見つけための3つ目の原則は、情報を集めすぎない・知りすぎないです。

 

多くの人が陥りがちなのが、「とりあえず情報を集めてから考えよう」という罠です。

 

でも実は、情報が多すぎるほど、問いが立てられなくなっていくのです。
それは、判断基準や優先順位があいまいなまま情報が頭に入ってくるから。
すると逆に、「何が重要かわからない」という状態になります。

 

さらにもう1つ大事な視点があります。
情報を集めることは、“考えること”の代替にはなりません。

 

何も仮説を持たずに100個調べるより、仮説を持って5個だけ調べるほうが、はるかにイシューに近づけます。

 

 

情報収集とは、“考え始める前に済ませる準備”ではなく、考えるために使う道具です。

 

この3つの原則を意識するだけで、あなたの問いの質は大きく変わります。

 

目的のない情報集めをやめて、目的ある思考へ。
それが、イシュー思考を実践するための第一歩です。

 

イシューを見つけるための実践ワーク

ここからは、「自分自身でイシューを見つける」ための実践ワークを行います。
目的は、日常の課題や気になる現象から、“本当に考えるべき問い”を言語化する力を養うこと。

 

「何が問題かわからない状態」を、「考えるべき問いが明確な状態」に変える。
それがイシュー思考の最大の武器です。

 

ワーク全体の流れ

まずは、この4つのステップで、あなたの思考を整理し、イシューを抽出していきます。
紙とペンまたはメモアプリを用意して、一緒に取り組んでみてください。

 

STEP①「モヤモヤ」を出す

まずは「最近気になっていること」を思いつくままに書き出しましょう。

 

例)
・毎週の報告資料作成に時間がかかっている
・新人研修が効果的に機能していない気がする
・チーム会議で話がまとまらないことが多い

 

「うまく言えないけどなんかモヤモヤする」でもOKです。
そこに、本質的なイシューが潜んでいます。

 

STEP②「目的」を明確にする

次に、「何のためにこの問題を考えたいのか?」という目的をはっきりさせましょう。

 

例)
「報告資料が負荷かかると感じる → なぜ?」
→ 目的:もっと重要な業務に時間を使いたい
「会議がまとまらない → なぜ?」
→ 目的:意思決定を早めて、アクションに集中したい

 

“現象”ではなく、“達成したい姿”を明確にすると、
そこから“問い”が見えてきます。

 

STEP③「問い」を具体化する

次に、問いは「抽象的な悩み」から、「具体的なイシュー」へと進化させましょう。

 

良くない問い例:
「なぜこの資料はわかりにくいのか?」
良いイシュー例:
「毎週の営業会議資料に、関係者が集中できていないのはなぜか?」
さらに良い:
「4月以降の週次営業会議資料において、A部門の理解が進まない要因は何か?」

 

絞れば絞るほど、解決可能な問いになります。

 

STEP④「イシューか?」チェックする

最後に、その問いが本当に「イシュー」と言えるかどうか、3つの条件でチェックしてみましょう。

 

例)
「A部門が週次資料を理解していない理由は何か?」
→ 資料構成・時間配分・読解難易度などを調査すれば、自分たちで答えを出せる
→ 資料を改善すれば会議の効果が上がる=行動につながる
→ 組織の意思決定スピードという本質課題と直結している

 

このように、問いの手応えが“具体性”と“行動性”を持っているかを確認してください。

 

ワークまとめ

ここまでのワークを通じて、「考えるべき問い」が1つ見えてきたはずです。
それが、あなたにとってのイシューです。

 

この力は、日常の業務でも、キャリアでも、副業・起業でも、
必ず武器になります。

 

まとめ:本質を見極める力が、あなたの価値を高める

 

「イシューとは何か?」という問いに向き合うことは、単なる言葉の意味を理解すること以上に、本質的な問題を見極める力を身につけることに繋がります。

 

私たちは日々、多くの「課題」や「タスク」に追われています。しかし、それらすべてが本当に解決すべき“意味のある問題”とは限りません。

 

限られた時間と労力のなかで成果を出すには、まず「何に取り組むべきか(イシュー)」を見極める力が必要です。

 

この記事を通して、イシューの意味や重要性、見つけ方のヒントを少しでもつかんでいただけたなら幸いです。

 

今日からぜひ、目の前のタスクに取りかかる前に、「これは本当に取り組むべきイシューなのか?」と立ち止まってみてください。

 

その思考のクセこそが、ビジネスでも学業でも、あなた自身のパフォーマンスを一段引き上げてくれるはずです。