20代で一人暮らしを始めると、毎月の生活費がどれほどかかるのか不安に思う方も多いでしょう。

 

実際、総務省の統計によれば20代~30代前半の単身世帯の平均生活費は2019年時点で月約14~15万円に上ります。近年の物価上昇もあり、2022年の単身世帯(民間賃貸住宅)の平均生活費は約17万8,000円まで増加しています。一方で、新卒社会人の初任給平均は約22万5,000円(大卒・2023年度)とされています。

 

給料から税金や社会保険料を差し引いた手取りは16~18万円程度となるため、平均的な収入では出費を賄うと貯金に回せる余裕はごくわずかというのが現状です。

 

実際、金融調査によれば一人暮らし20代の金融資産中央値はわずか20万円で、42.1%の人が貯蓄ゼロという結果も出ています。このように経済的に厳しい状況の中、多くの若者が日々節約を意識するようになっています。

 

日本生協連の調査では94%もの人が日頃から節約を意識しており、特に20代の約76.8%が「普段の食事」を昨年より節約するようになったと報告されています。

 

本記事では、そんな20代社会人の一人暮らしにフォーカスし、最新データや専門家の知見をもとに実践的な節約術を紹介します。無理なく楽しみながら出費を抑えるコツを押さえ、将来に備えた賢いお金の管理を始めましょう。

 

20代一人暮らしの生活費の内訳と課題

節約術に入る前に、まず一人暮らしの生活費の内訳と現状を把握しておきましょう。総務省「家計調査」のデータからは、単身世帯の平均的な支出配分は以下のようになっています。

 

(総務省 「家計調査 家計収支編 単身世帯 2022年」より民営借家に住むケースを抽出)

項目 1か月平均額 構成比
食費 36,765円 20.6 %
住居費(家賃) 54,406円 30.5 %
光熱・水道 11,698円 6.6 %
生活用品(家具・家事用品) 4,483円 2.5 %
被服・履物 5,715円 3.2 %
保健医療 6,664円 3.7 %
交通・通信 18,971円 10.6 %
教養・娯楽 18,038円 10.1 %
その他(交際費など) 21,398円 12.0 %
合計消費支出 178,138円 100 %

出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯(2022年)用途分類」民営借家世帯データ

 

この表が示すように、生活費の中で特に比重が大きいのは住居費(家賃)と食費です。

 

それぞれ平均で全体の約30%と20%前後を占め、次いでその他日用品や交際費等が約12%、交通・通信費と娯楽費が各10%程度となっています。家賃は地域によって差が大きいものの、収入に対する負担割合が高くなりがちな固定費です。

 

また食費も、自炊頻度や外食習慣によって大きく上下します。こうした固定費・変動費のバランスを見直すことが、節約の第一歩となります。

 

さらに、収入との兼ね合いで考えると、20代前半の平均手取り月収は18万円前後(額面22万円程度)ですが、前述のように平均的な生活費はそれとほぼ同額に達しています。

 

これでは計画的に貯金をしない限り貯蓄がなかなか増えないのも無理はありません。

 

事実、金融広報中央委員会の調査によれば一人暮らし20代の平均貯蓄額は176万円ですが、少数の貯蓄上位者が平均を押し上げているため中央値は20万円に過ぎず、4割以上が貯金ゼロという実態があります。

 

こうしたデータからも、「20代×一人暮らし」は貯蓄が難しい組み合わせであることが読み取れます。

 

しかし悲観する必要はありません。工夫次第で生活費は十分節約可能です。特に近年は物価高の影響もあり、若年層の節約意識が高まっています。

 

例えば「普段の食事を節約している」20代は昨年より約10%増えて76.8%に達したとの調査結果も出ており、多くの若者が日々の支出を見直し始めています。またSMBCコンシューマーファイナンスの意識調査(2024年)では、「現在の貯蓄状況に不安を感じている」20代は72.9%にも上り、「老後の生活資金は年金だけでは不十分だと思う」と答えた人も90.7%にのぼりました。

 

将来への備えのためにも、20代のうちから賢くやりくりする習慣を身につけておくことが重要と言えるでしょう。本章では支出項目ごとの節約ポイントを具体的に解説していきます。

 

固定費の見直し:家賃・通信費を中心にコストダウン

毎月決まって出ていく固定費は、一度見直せば継続的な節約効果が大きい項目です。中でも家賃通信費は、節約インパクトが大きいため最優先でチェックしましょう。

 

家賃の適正範囲を考える

家賃は収入に対する割合で判断するのが一般的です。手取り月収の25%程度が適切な家賃の目安とされており、それを超える部屋に住んでいる場合は見直しを検討しましょう。例えば手取り20万円なら家賃5万円前後が目安です。

 

もし現在の家賃が高ければ、駅からの距離や物件の築年数など条件を妥協して家賃を下げるか、他の固定費を削減してバランスを取る工夫が必要です。筆者の友人の例では、勤務地から少し離れたエリアに引っ越したことで家賃を1万円下げ、その分を毎月の貯金に回せるようになりました。

 

引越しが難しい場合でも、電力・ガス会社の契約プランを見直して光熱費を抑えるなど、トータルの固定費を収入の範囲内(目安30~40%以内)に収めることが大切です。

 

通信費(スマホ代)の節約

次に見直したいのがスマートフォンの通信費です。大手キャリアの標準プランだと月額6,000~8,000円かかるケースも多いですが、近年は格安SIMや大手の低価格プランに乗り換えることで月額2,000~3,000円台に抑えることも可能です。

 

実際、筆者も数年前に大手キャリアから格安SIMに乗り換え、スマホ代が月7,000円台から約2,500円まで減りました。

 

年間にすると5万円以上の削減で、非常に大きな節約効果を実感しています。もし現在携帯代が月6,000円超なら、思い切ってプラン変更を検討しましょう。

 

データ通信量に余裕があるなら、もっと低容量のプランに下げればさらに安くできます。

 

また、家に固定のインターネット回線を引いている人は、スマホのテザリングで代用できないか検討したり、逆にスマホの大容量プランをやめてポケットWi-Fi+格安SIMに組み替えたりと、自分の使用状況に合った通信環境を選ぶことでコスト削減が可能です。

 

その他の固定費の見直し

家賃・通信費以外にも、定期購読やサブスクリプションサービスなど毎月支払っているものがあれば洗い出してみましょう。

 

たとえば音楽・動画配信サービス、ジム会費、習い事など、「惰性で払い続けているが実はあまり使っていない」ものがないかチェックします。

 

不要なサービスは思い切って解約し、必要なものもプラン変更やファミリープランへの切り替えで安くならないか調べてみてください。固定費は一度削減すればその効果が積み上がっていくので、最初に手を付けるべき重要ポイントです。

 

固定費の見直しは、一人暮らしの家計改善において最も効果的なステップです。

 

例えば上記のように家賃やスマホ代を見直すだけでも、月に数万円単位で支出を減らせる可能性があります。浮いたお金はそのまま貯蓄に回すもよし、他の必要な出費に充てるもよし。まずは契約内容や料金プランを確認し、自分の生活に合った無駄のない支出に整えていきましょう。

 

食費の節約術:自炊習慣と買い物の工夫

食費は生活費の中でも比較的コントロールしやすく、節約効果が出やすい項目です。前述のとおり単身世帯の食費平均は月4~5万円ほどですが、その内訳を見ると外食に約8,824円、酒類に約2,287円、お菓子に約2,912円を使っているというデータがあります。

 

つまり、自炊を増やして外食や間食を減らすだけでも、毎月1万円以上の節約が見込めるわけです。実際、日本生協連の調査でも「ここ3か月で食費を見直した」20代が昨年より約10%も増加しており、多くの若者がまず食費の削減に取り組んでいるようです。

 

ここでは、無理なく食費を抑えるための具体的な方法を紹介します。

 

自炊を習慣化する

やはり食費節約の王道は自炊です。新社会人になりたての頃は「忙しくて料理する余裕がない」「料理スキルに自信がない」という方も多いでしょう。

 

しかし最近はレシピサイトや料理動画が充実しており、初心者でも簡単に作れる時短レシピが多数公開されています。まずは週に数回でも自炊する日を作ることから始めてみてください。

 

総務省データによれば外食費の平均は約9千円/月でしたが、これを自炊に切り替えることで半分以下の費用に抑えられるケースも珍しくありません。

 

筆者もかつて毎日のようにスーパーのお弁当や外食に頼っていましたが、平日はできるだけ自炊してお弁当を持参するようにしたところ、食費が月に1万円以上節約できました。

 

料理が苦手な人も、まずは鍋料理や炒め物など一品完結で作れる簡単レシピから始めてみましょう。どうしても自炊が難しい日は、コンビニ弁当だけに頼るのではなくスーパーの総菜や冷凍食品を活用するのも手です。

 

冷凍食品は割安なうえ日持ちもするため常備しておくと便利ですし、ちょっとしたアレンジで飽きずに食べ続けられます。

 

買い物の工夫で食費カット

自炊による節約効果を高めるには、日々の食品の買い方にも工夫が必要です。買い物の頻度を減らし計画的にまとめ買いするだけでも無駄遣いを防げます。

 

例えば「1週間分の食材を週末にまとめ買いして、平日は追加購入しない」と決めれば、余計なお菓子やジュースを衝動買いしてしまうリスクも減ります。

 

またスーパーでは特売日やタイムセールを賢く利用しましょう。日本生協連の調査によると、食費を節約する方法として「セールのときにまとめ買い」を挙げる人が全世代で最も多かったそうです。購入時には100gあたり・1食あたりの単価(いわゆるコスパ)を比較し、より安い商品を選ぶ習慣をつけましょう。

 

最近では商品の価格表示に1gあたり○円といった単価が記載されていることも多いので、値札をよく見て判断することが大切です。

 

例えば同じ肉でも大容量パックの方が単価が安い場合、一度に使い切れなくても小分け冷凍すれば無駄にせず使い回せます。

 

自炊を続けるためのアイデア

自炊による節約は続けることが肝心です。長続きさせるコツとして、以下のポイントを実践してみましょう。

 

まとめ調理・作り置きを活用

時間に余裕のある日に料理を作り置きしておけば、忙しい日の食事準備が格段に楽になります。例えば休日におかずを数品まとめて作って冷蔵・冷凍保存しておき、平日の弁当に詰めたり夕食に温め直したりすれば外食に頼る頻度を減らせます。

またご飯は一度に多めに炊いて小分け冷凍しておくと、炊飯の手間と電気代の節約になります。使うときはレンジで温めるだけなので洗い物も減り、一人分ずつ炊くより経済的です。

 

買った食材は無駄にしない

一人暮らしでは食材を余らせて傷ませてしまう失敗が起こりがちです。対策として、野菜は買ったらすぐ下ごしらえして保存しましょう。

葉物は茹でて冷凍、根菜は切って下茹でしておくなどすると、調理のハードルも下がり傷む前に使い切れます。

肉や魚も小分けしてラップに包み冷凍保存すれば必要な分だけ解凍して使え、結果的に食材ロスが減って節約になります。

 

マイペースで無理しすぎない

完璧を目指して毎食自炊するのは理想的ですが、忙しい現代人にとって現実的ではありません。適度に外食や出来合いのものも取り入れつつ、自炊とバランスを取ることが大切です。

 

例えば「平日の昼は会社で同僚とランチを楽しみ、朝晩と週末はできるだけ自炊する」「疲れた日は無理せずスーパーのお惣菜を利用する」といった具合に、自分なりのルールを決めましょう。息抜きや時間短縮もうまく織り交ぜて、ストレスなく続けることが節約成功の秘訣です。

 

飲み物代もばかにならない

意外と見落としがちなのがペットボトル飲料やカフェ代です。コンビニや自販機で飲み物を買うと1本100~160円程度しますが、例えば150円のお茶を毎日買えば月4,500円、年間で5万円以上の出費になります。

 

そこで実践したいのがマイボトル習慣です。家で沸かしたお茶やコーヒーを水筒に入れて持参すれば、その分の支出を丸ごとカットできます。筆者自身、以前は毎朝コンビニコーヒー(約¥150)を買っていましたが、魔法瓶に自宅のコーヒーを淹れて持参するように変えたところ、月に3,000円以上の節約になりました。

 

塵も積もれば山となるで、年間では約4万円もの節約です。総務省の調査でも「飲み物を買わず水筒で持参するだけでも節約になる」という指摘がありましたが、まさにその通りです。小さな工夫ですが、毎日の積み重ねで大きな差が生まれます。

 

食費の節約は、健康管理にも直結します。自炊でバランスの良い食事をとることで、外食やジャンクフードを控えられ医療費の節約にもつながるとの指摘もあります。楽しみとしての外食は適度に取り入れつつ、メリハリを付けて賢く食費コントロールをしていきましょう。

 

日常出費の賢い管理:ポイント活用・キャッシュレス術

食費や家賃以外にも、日常生活の中で気づかないうちに出ていくお金は多々あります。ここでは普段の買い物や支払いの工夫によって支出を減らす方法を紹介します。キーワードは「ポイント」「キャッシュレス」「見える化」です。

 

ポイント&クーポンを活用する

最近の20代はポイントを貯めて賢く使うことに長けています。実際、SMBCコンシューマーファイナンスの調査(2024)では貯めたポイントを利用する」が節約のために行っていること第1位(56.0%)に挙げられました。

 

次いで「クーポンを利用する」が2位、「外食を控える」が3位となっており、日常の買い物でポイントサービス割引クーポンを活用するのが現代の若者流節約術と言えます。

 

日頃から電子マネーやクレジットカードで決済してポイントを貯め、貯まったポイントで日用品を購入したり料金の支払いに充当したりすることで、現金払いよりおトクにやりくりできます。

 

例えば筆者はドラッグストアのポイントで日用品を定期的に「タダ買い」していますが、塵積も効果ながら家計の助けになっています。ただしポイント欲しさに不要な買い物をしては本末転倒です。あくまで必要な支出のついでにポイントを賢く稼ぐ・使うというスタンスを保ちましょう。

 

キャッシュレス決済を賢く使い分け

ポイント活用と関連しますが、キャッシュレス決済の種類をうまく使い分けることで節約効果を高めることができます。クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などそれぞれポイント還元率や特典が異なるため、用途によって最適な支払い方法を選びましょう。

 

たとえば普段のスーパーの買い物は高還元のクレジットカードで支払い、貯まったポイントを後日そのスーパーでの支払いに充当する、といった具合です。

 

また毎月必ず発生する公共料金や通信費をクレジットカード払いにすれば、何もしなくても自動的にポイントが貯まります。実質的な値引き効果が得られるので、現金払いより断然お得です。

 

使いすぎ防止のテクニック

キャッシュレスは便利な反面、現金に比べて支出の実感が薄れ使いすぎに注意が必要です。そこでおすすめなのが予算管理と見える化です。

 

具体的には、娯楽費や交際費など自由に使えるお金に月の上限額を設定し、それ専用のプリペイドカードやサブの銀行口座に入れておきます。残高がその月の娯楽費の残りだと視覚化できるため、浪費の防止に効果的です。

 

クレジットカードも、固定費の支払い以外ではあえて持ち歩かずデビットカード(支払と同時に口座引き落としされるカード)を使うのも良い方法です。

 

デビットカードなら口座残高以上は使えないため、自然と範囲内でやりくりする習慣がつきます。

 

家計簿アプリで収支を「見える化」

収入と支出の全体像を把握するには、家計簿アプリの活用が便利です。銀行口座やクレジットカードと連携させれば自動で支出入データが取り込まれ、手間なく家計簿がつけられます。

 

ある家計簿アプリの調査では利用者の多くがアプリ使用前より家計を改善できたとの結果も出ており、支出の「見える化」には大きな効果があります。

 

筆者も家計簿アプリを使い始めてから、自分が何にお金を使いすぎているか把握できるようになり、不要な出費を削る意識が高まりました。例えば以前はコンビニでなんとなくお菓子や雑誌を買っていましたが、アプリで「嗜好品」の出費合計を見てハッとし、以来コンビニには週1回しか行かないルールを課しています。このようにデータで自分の消費傾向を客観視することで、節約すべきポイントが見えてくるでしょう。

 

「現金払い派」でもできる工夫

キャッシュレスは苦手、という人は封筒分けなどアナログな方法も有効です。給料日に生活費を用途別に現金で分けて封筒に入れ、予算内でやりくりするという古典的手法ですが、これも立派な見える化・使いすぎ防止策になります。

 

要は、自分に合った方法で収支を管理し、無駄な出費に気づいたらその分を削減するPDCA サイクルを回すことが大切です。

 

日常の支出は小さな額の積み重ねですが、見直すことで月に数千円~1万円以上の節約余地が生まれることも少なくありません。特にポイントやキャッシュレスの賢い利用は、生活水準を落とさずに節約効果を得られるスマートな方法です。楽しみながら工夫を凝らして、ムダ遣いゼロの生活を目指してみましょう。

 

貯蓄習慣と目標設定:将来に備えるお金の計画

支出の節約と同時に大切なのが、計画的に貯蓄する習慣を身につけることです。節約で生まれた余剰金をただなんとなく口座に残すのではなく、明確な目標を持って管理するとモチベーションが高まります。ここでは将来に備えるための貯金術について考えてみましょう。

 

まずは「生活費6か月分の貯金」を目指す

ファイナンシャルプランナーら専門家は、もしもの時に備えて最低でも生活費の6ヶ月分は蓄えておくよう勧めています。

 

急な失職や病気、冠婚葬祭など出費が重なる事態でも、半年分の生活費があれば当面は乗り切れる可能性が高いからです。先ほど平均的な一人暮らしの生活費が約16万円と述べましたが、その6ヶ月分は約96~98万円(約100万円)になります。

 

裏を返せば、貯金100万円が一つの安心ラインと言えるでしょう。もちろん状況によって適正額は異なりますが、まずはこの「生活費6ヶ月分=100万円前後」を当面の貯金目標に設定してみてください。

 

貯金ゼロからスタートする人は、いきなり100万円を目指すのが難しく感じるかもしれません。その場合は「まず10万円」「次に30万円」といったように段階的な小目標をクリアしていくのも有効です。大切なのは、漠然と貯めるのではなく具体的な数値目標を持つことです。

 

先取り貯蓄で確実に貯める

貯金を確実に実行するには、給料が入った時点で強制的に一定額を貯蓄に回す先取り貯金が効果的です。例えば毎月の給料日の翌日に3万円を別の貯蓄用口座へ自動振替する設定にしておけば、残ったお金で生活するうちに自然と貯金が積み上がります。

 

この方法なら、「余ったら貯金しよう」と思っていて結局残らない…という事態を防げます。最近は銀行の自動入金サービスや証券会社の積立投資機能など、先取り貯蓄をサポートする仕組みも整っています。例えば、毎月一定額を投資信託や株式に積み立てる積立投資(つみたてNISA等)も、半強制的にお金を貯めながら将来の資産形成につなげられる手段です。

 

SMBCの調査では「“新しいNISA”を利用する予定がある」20代は30.5%**と3割に上り、特に20代後半男性では44.0%にも達しています。若いうちから投資も視野に入れ、将来にお金を増やす工夫を始めている人も少なくありません。とはいえまずは緊急予備資金となる貯金を確保することが先決なので、投資は生活防衛資金を満たしてからでも遅くないでしょう。

 

収入の◯%を貯蓄に回すルール

毎月どれくらい貯金すべきか悩む場合、手取り収入の10~20%を貯蓄に充てるというのが一つの目安です。例えば手取り20万円なら2~4万円を貯金、といった具合です。20代はライフイベントも多く何かと物入りですが、できればボーナスや臨時収入が入ったときも一定割合は貯蓄に回すクセをつけましょう。

 

先述のようにポイントや節約術で生み出した余剰金も、ついあるだけ使ってしまわず**「無かったもの」と考えて貯蓄にスライドさせると着実に貯まります。実際、ある調査では収入に対する生活費の割合は若年層で約60%とのデータがあり、逆に言えば収入の4割程度は貯蓄や自由に使えるお金に回せる計算です。もちろん個人差がありますが、自分なりの貯蓄ルール**(○万円貯まるまでは娯楽費を控える等)を決めて実行することが大切です。

 

モチベーション維持の工夫

貯金は長期戦になりやすいため、モチベーション維持も重要です。目的を明確に持つと貯め甲斐が出ます。**「○年後に海外旅行」「将来の結婚資金○万円」**など目標設定し、進捗をチェックしましょう。筆者は5万円貯まるごとにご褒美としてちょっと良い食事をするルールを設け、楽しみながら貯金を継続しています。また、貯金仲間やSNSで経過を共有するのも励みになります。

 

他人に言いづらければ、家計簿アプリで資産推移グラフを眺めてニヤニヤするだけでも達成感が得られます。楽しみつつゲーム感覚で貯蓄習慣を続ける工夫をしてみてください。

 

20代は収入がまだ多くない分、大金を貯めるには時間がかかるかもしれません。しかし、若いうちに身に付けた貯蓄体質は今後の人生できっと大きな財産になります。将来の住宅購入や独立、老後資金など長い目で見れば、コツコツ貯めたお金が自分を助けてくれる場面が来るでしょう。「塵も積もれば山となる」を信じて、小さな額からでも計画的に貯金を続けてみてください。

 

まとめ:無理なく楽しく、将来に繋がる節約を

20代の一人暮らしにおける節約術を、データとともに紹介してきました。最後にポイントを整理すると以下のようになります。

 

  1. 支出の現状を把握する:家賃や食費など大きな項目を中心に、自分の生活費の内訳を知りましょう。平均データと比較し、高めの項目があれば見直しの余地ありです。物価高の影響も考慮し、無理のない予算配分を設定してください。
  2. 固定費から削減する:家賃は手取りの25%以内に収め、スマホ代など通信費も格安プランへの変更で大幅カット。不要なサブスクは解約し、光熱費も契約プランの見直しや省エネで削減を目指しましょう。
  3. 食費は自炊と工夫で節約:外食やコンビニ依存を減らし、自炊を習慣に。まとめ買いや作り置きで無駄買い・食品ロスを防ぎます。ペットボトル飲料は水筒持参に切り替えれば月数千円の節約効果。
  4. 日常支出はポイント活用&見える化:支払いは極力ポイントが貯まる方法を選び、貯まったポイントで生活必需品を賄う。家計簿アプリや予算管理で自分のお金の流れを「見える化」し、使いすぎを防止。キャッシュレスを上手に使い分けて賢く得しましょう。
  5. 貯蓄目標と習慣づけ:まずは生活費6ヶ月分(約100万円)を目標に貯金。先取り貯金で確実に積み立て、手取りの1~2割を貯蓄に回すルールを継続。モチベ維持の工夫を凝らし、楽しみながら将来の安心資金を築いてください。

 

最後に強調したいのは、節約は決して「ケチること」ではなく、将来の自分への投資だということです。無駄なお金を省いてその分を自己投資や貯蓄に回せば、数年後・数十年後に大きなリターンとなって返ってくるでしょう。

 

20代は人生のスタートライン。ここで身につけた金銭感覚や習慣は、この先の豊かさに直結します。節約=我慢ではなく、節約=創意工夫と捉えてポジティブに取り組んでみてください。小さな一歩の積み重ねが、大きな経済的自立への道を開いてくれるはずです。今日からできることを少しずつ実践し、無理なく楽しく節約ライフを送りましょう。あなたの20代が充実し、将来の安心につながることを応援しています!

 

参考資料・出典:(総務省統計局「家計調査」、厚生労働省「賃金構造基本統計」、SMBCコンシューマーファイナンス「20代の金銭感覚調査」、日本生協連「節約と値上げ意識調査」、三菱UFJ銀行コラム、auじぶん銀行コラム 他)